もうすこしで天竺

読書記録など。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

手塚治虫『アドルフに告ぐ』

戦時中の日本とドイツを舞台に、アドルフ・ヒトラーに直接的・間接的に関わることで人生が変わった人たちの物語。小学生のとき、夏休みの宿題で読書感想文を書いた記憶がある。 主題は、感情的には強い結びつきがあっても、民族主義や軍国主義によって引き裂…

かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』

これは物語であるというよりは、「核なき世界はどのようにして達成されるか」という政治的なシミュレーション。 主人公の原潜艦長・海江田は、探信音を敵に当てることで魚雷攻撃の予告をするという「シミュレーション的な」戦術をとると作中で描写されるから…