ハグストローム『株で富を築くバフェットの法則』:人とは違う思考がいい
ロバート・G・ハグストロームのバフェット本。
橘玲と、言っていることはかぶるところが多い。
ここに書かれている投資の原則を一言でいうと、「人とは違う思考をせよ」ということ。
なぜなら株式投資とは、他の人が目をつけていないところに先んじて目をつけて、割安で買った優良株から利益を得ることがもっとも儲けが大きいから。
他の人と同じ思考をしてしまっては、インデックスファンド(市場の平均値)以上の利益を得ることはできない。
本書のまとめ部分でも書いてあったが、これは生きていく上でもとても参考になる考え方だと思う。
株式の取引では、株価の動きを逐一監視して、流れを読まなくてはいけないと思いがちだという。確かに、自分もそう思っていた。日頃の株価を読んで、下落した時に買う、上昇した時に売る。
しかし、これでは疲れてしまうし、自分があえてパソコンの前に座る意味もない。
だが本書の教えは、違う道を示してくれる。
自分なりに企業を探して、その会社の商売のやり方を分析し、気に入ったならば(そして株が割安であるならば)、その会社自体の一部を買うつもりで投資する。一生持ち続けてもいいという気持ちで。
おそらくこの方法は、毎日トレンドを追い続けるよりも、ずっとストレスが少ないし、楽しい。
事実バフェットその人も、秀でた投資を続けながら、人生を謳歌しているそうではないか。もっともストレスの多い業界だろう金融業界のトップが。
実人生でも、彼の教えはおそらく参考になる。
というのも、トレンドフォロワーの人生は見ていてつまらなさそうだから。
上司のご機嫌、流行に乗った発想、すなわち主体性のない人々……こういう人間は、投資でいうと、おそらく大きな流れの上に立って日々のトレンドを追う投資家となる。日々の日経平均の推移に一喜一憂するような。
しかしバフェットは、そうではなく本当の価値に投資しろという。
その方が、最終的には利益を得られるし、余裕のある人生を送ることができる。
この教えは、他人とは別の道を歩んでもいいという許しであると同時に、その道をゆくには、本当の価値を見抜く目を持つ必要があるという警句でもある。
株で富を築くバフェットの法則[最新版]---不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法
- 作者: ロバート・G・ハグストローム,小野一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/04/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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